アトリエ花空間

花空間デザイナーとして、フォトグラファーとしての活動日記です。花・植物を活用した空間デザインをご提案致します。

個展 和室(調和・土蜘蛛)

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floral installation vol.2 『心に描く花』
能舞台・日本庭園とのコラボレーション~
2018年1月7・8・9日 こしがや能楽堂
空間デザイナー 林千恵 個展
https://www.flickr.com/photos/163857984@N04/show/






【Wedding Story 4 糸】
2人が好きな演目のひとつ「土蜘蛛」
『私がその舞台で印象的だったのは、役者の品格。頼光を演じられたある流派の家元。
頼光という役柄ということもあり、ただその場にいるだけで醸し出される品格は、
意識的か無意識か、その人がもっているものは溢れ出てしまうようです。
お能の舞台では、その人のあり方、その人らしさがあらわになる、隠しようがないのです』と新郎。

2人が習う先生の家で催される「虫干し」という能装束を公開するイベントに参加した時の話
『舞台上ではきらめくごとくピカピカに美しく見えた能装束。実際近くでみてみると、
とても古い感じがします(洗わないので、何十人もの汗がしみ込んでいるらしい・・・)
「艶やかな美しさ」というよりは「心つくされた美しさ」

舞台はまさに氷山の一角。
とても地道に堅実に、陰役の人々の支えによって成り立っているのだと。
その場から、装束や小物から立ち上がる空気感がそれを感じさせてくれます。

こういう空気の中で育った子供が能楽師として成長し、舞台に立つ。
能楽師のプロフィールには、誰が師匠で誰が親ということが必ず書かれている。
お能で現されるもの・感じられるものは、決してその能楽師本人だけのものではない、
ということがよく分かりました。

先人から引き継がれるもの。
さらに、それに関わった能楽師ひとりひとり・陰役の方々の心と魂が宿り、
それらが相まって、表現やエネルギーとして現わされている。
それゆえ、ひと声で時間をさかのぼることができ、室町時代までワープさせてくれる力がある。

650年もの間、それが繰り返され、シテ方の家・ワキ方の家・囃子方の家・・・
それぞれの家の個性があり、それが融合し舞台として現される。
その能楽師から発せられるものから、過去をさかのぼることができ、
それを受け継いできた人々の心を感じることができる。
ゆえに、真実に道を究めようと向き合い、鍛練する役者の舞台を見るにつけ、
感動し励まされるのです』と2人は話します。

土蜘蛛といえば、やはり糸の演出が印象的。
そんな糸の舞台演出の美しさを、竹ひごで表現してみました。