みなさん、こんにちは!
花空間デザイナー 林千恵です。
私の考える「いけばな」作品の提案とういことで、
6月初旬に作成予定の作品をご紹介させていただきます。
■作品解説
この度の作品は、水と植物のコラボレーション作品です。
水は、島国に住む私たちにとって欠かすことのできない存在であり、
生命体を育む基本です。
日本文化の多くは水を伝って伝来し、
水面はあの世とこの世を結ぶものとも考えられています。
ただただ生きようとする生命エネルギーをもつ植物。
『自然の変化とか生命は、人工では到底考えられないほど別格なもので、
そういう別格の美しさは、神様が創られた。
これを人間が利用してその恩をこうむる』と花伝書にあるように
植物そのものの美しさを大切にし、
万葉集の時代より愛され、10日の間に変化し続ける夏を代表する花「紅花」と、
生命力が強く霊力を持つと言われる「柳」を用い、
宇宙エネルギーのカタチ「うずまき」を現します。
■作品制作にあたって
私がいけばなを始めて20数年となります。
その年月、いけばなと関わっていく中で、私にとって「花をいけることとは何か?」の探求でした。
そして今現在の私が導きだしたものは、日本文化の根底に深く息づく思想との共鳴です。
先人から我が師までつながれるもの。
ひとつとして同じものがない植物であるからこそ、
型のみで伝授しきることの出来ないいけばなを、
心から心へ、行いとして、あり方として伝えることである以心伝心。
常に違う表情を現す植物であるからこその一期一会。
余白の中に作者と見手とのコミュニケーションをおこし、
各々の想像により自ら美を見出すことを意図するいけばな芸術。
21世紀に生きる私が、いけばなで現したいこと、伝えたいことです。
■使用予定花材・資材
花材
:ウンリュウ柳 2m ×130本
:ウンリュウ柳 2.5m×5本
:ウンリュウ柳 3m ×5本
:紅花 ×120本
黒鉄花器
:200×10×H10㎝ 1個
:160×25×H10㎝ 2個
:100×23×H10㎝ 1個
4メートル角程度のスペースをいただき
360度どこからでもご覧いただけます。
どのような角度から作品へ歩みより、アプローチしてくるか
ご覧いただく角度や目線によって、あらゆる表情をみせる作品です。
紅花は開花が早く、つぼみの黄緑色からオレンジ・赤になるまでの過程も美しく
生のままでも、ドライとしても楽しめる花材
展示期間の10日の間に、つぼみからドライへと
次々に開花し、色やその様子が変化していく過程を楽しめます。
柳は枝を切った断面、まっすぐ伸びる様子、弾力があり荒々しく勢いある枝の感じ
いろいろな表情を感じていただけるよう作成します。
地面には、キラリと光る水を鉄花器に注ぎます。
ご覧いただく方が、この作品とどう向きあい、
何を感じ、何を持ちかえっていただけるのか
そんなことを考え企画してみました。